何か作業をしようとしたとき、作業の進め方でかなり効率が変わります。
ここでは、INとOUTを考えることで作業を効率化する一つの方法を紹介します。
はじめに
INとOUT、入力と出力を考える事は、システム開発、プログラミングをやっている人には、一般的かもしれません。
1つの処理を行うとき、その処理には、入力があり出力があります。
入力は必要な情報を取り込み、出力は処理の結果として「必ず」あります。
この考え方は、人間がやる作業でも同じです。
入力(IN)とは
具体的には、以下のようなものを指します。
- 情報の収集
- 商品の仕入れ
- 条件の提示
何か作業するとき、必ず情報収集が必要です。これをせずに作業できる人は、きっといません。インターネットで調べたり、自分の持っている知識を使ったり、とにかく、何らかの情報を得て行動を起こすはずです。
「物を売る」といった場合、情報収集だけでなく、商品の仕入れを行わなければ売ることはできません。
仕事で作業を頼まれた場合でも、何をするかという条件は必ず聞きます。
何か行動を起こそうとするとき、ほとんどの場合、入力となるものがあるのです。
出力(OUT)とは
ソフトウェア開発の現場では(他でも使うかもしれませんが)、「成果物」と呼ばれます。
何らかの行動をすると必ず 、出力(=結果)があります。
具体的には、以下のような物です。
- 完成した(修正が終わった)資料
- 売った商品
- 作業後の「状態」
資料を作成すれば、資料が完成します。商品を売れば、商品が出てゆきます。
何らかの作業−たとえば部屋の模様替えなど-をすれば、部屋の様子が変わります。
なにか作業すれば、必ず何か出力(=結果)があります。
稀に、作業しても何も出力されない場合がありますが、これは、行動そのものに意味がありません。 作業が失敗に終わったということです。
INとOUTの間にあるのは?
INとOUTの間にあるのが「作業」の本体です。
何らかのINを何らかの行動によってOUTに変換します。
この時、最小限のINから最短時間の作業でOUTを出すことができれば、最大の効率で作業した、ということになります。
最大の効率を出すには?
前述のとおり、この考え方では、最小限のINと、最短時間の作業で最大の効率を出せます。
考えやすいように順番を変えて考えます。
最短時間の作業とは
最短時間でOUTが出せる作業のことです。
これは、OUTを出すために、どういう行動をすれば良いかを考えれば、分かります。
今いるところから目的地まで一直線に進む。そんな感じです。
最小のINとは
次に最小のINが何かを考えましょう。
最小のINとは、行動に必要な最低限のINということになります。
最短時間でOUTが出せる行動に必要な、最低限のINです。
これも、上で考えた行動を行うには、何が必要かを考えれば分かります。
何が必要かが分かれば、それを収集すれば良いのです。
まとめると
まとめるとこういう事です。
作業するには、OUTを出すために必要な最短時間の行動を考え、その行動に必要なINを考え、収集する。
収集できたら、行動開始です。再短時間で行動が終了し、最大効率で作業全体が完了して、OUTが出せます。
例1 – リンゴを買いにいく
今からあなたは、リンゴを5つ買いに行きます。
これを最大の効率で行なってみましょう。
OUT
簡単です。OUTは「リンゴが5つ家にあること」です。
行動
リンゴを5つ家に運べば完了です。
リンゴを5つ家に運ぶには、リンゴが売っている場所まで行き、購入すれば良いです。
IN
さて、INですが、上の行動を起こすには何が必要でしょうか。
まず、リンゴを買うお金が必要です。リンゴ5つの値段を調査して少し余裕を持ったお金を用意しましょう。
次に移動手段。リンゴが売っている場所までの移動方法を考えます。そして、それに必要なお金なり、燃料なりを用意しましょう。
ここまで考えてリンゴを買えば、あなたは最高に効率良くリンゴ を5つ購入できるはずです。
例2 – 会議用資料を作る
より、仕事に近い例を考えてみましょう
実際の会議では、資料作りだけで終わる事はまずありませんが、ここでは資料を作る部分のみで考えます。
OUT
簡単ですね。会議用資料です。
ただ、会議用資料といっても、どのような会議用資料か、を考える必要はあります。
説明のレベル感は?
どのような人に説明する?
何ページを目安に?
どのような構成で?
資料は紙で何部?それとも、プロジェクターでプレゼンテーション?
具体的に考えておくと、より、効率的です。
行動
資料を作る。これだけですが、よく考えるといろいろあります。
資料を作るには、構成を検討する作業、ツールでの作成作業、印刷、コピー等の作業があります。
特に紙の資料を配布する場合は、コピーが必要なことを忘れてはいけません。
IN
次にINですが、以下の物が想定できるでしょう。
- 資料を作るための技術情報など
- 紙の資料の場合は、コピー機 とコピー用紙。
- 会議の出席者
- 会議の場所
- 会議の形式
- 資料を作るためのツールやパソコン
これらの情報やツールを使って資料を作成します。
これで、会議用資料を効率良く作成できるはずです。
最後に
文章や図で書くと簡単に見えますが、実践はなかなか難しいです。
慌てて何も考えずに行動を開始して、INが足りない事に後から気付いたり。
やってみた結果、OUTが思うような物ではなかったり。
今からやる作業が、どのようなOUTを求めているのか、十分に考えてから行動する、慌てていても落ち着いて、先に考える。
これが出来れば、きっと、効率良く作業を進めることができるでしょう。